横浜市港北区の一棟RCマンションレノベーション

ハンモック付き賃貸住宅なる遊び心のあるレノベーションを空室の多い一棟RCマンションに入れてみました。

 

バリューアップ後の物件売却の為に賃料を伸ばすという目的でもあります。キャピタルゲインを伸ばすには高い賃料で空室を埋めた方が良いので…

 

ハンモック付き賃貸マンション
ハンモック付き賃貸マンション

 

 

ハンモックの選択

 

ハンモックは置くタイプのものと、吊るすタイプの物がありますが、今回採用したのが吊るすタイプのものになります。

 

躯体に影響があまりない部分にアンカーを数か所打ってハンモックを吊るす形にしています。置くタイプのハンモックも検討しましたが、部屋が非常に狭くなってしまう等のデメリットが多いと判断しました。

 

 

ステンレス製造作キッチン
ステンレス製造作キッチン

ステンレス製の造作キッチン

 

ステンレス製の造作キッチンはサンワカンパニー等のキッチンメーカーなど複数検討してみましたが、今回の物件に該当する様な汎用品が無かったため、ゼロから造る造り付けのキッチンとなりました。キッチンは部屋の顔になる部分ですのでここは手抜きをせずにある程度の費用をかけてみました。

 

 

広いルーフバルコニー
広いルーフバルコニー

広いルーフバルコニー

 

広いルーフバルコニー(RF)は部屋の広さを各段に広く感じさせる物ですし、ライフスタイルに遊びが組み込める部分でもあります。広いルーフバルコニーの風を感じてもらうのにルーフバルコニーが生きるのではと考えたところでもあります。

 

ルーフバルコニーは建物固有の個性なんで存在しない物件では遊びができませんが、このように広いルーフバルコニーがある物件であれば多様な趣味の方には適しているかな。

 

まとめ

 

キャピタルゲインを得るためのレノベーションと言っても物件の個性とその沿線の所得層の状況によって変わってくるかと思います。

 

この物件があるのが横浜市港北区という事で比較的高い家賃を払える層が住んでいるエリアである事がこの様な遊び心のあるレノベーションを選んだ理由に
なります。

 

同じ横浜市でも例えば神奈川区の鶴見近辺だったら違うアプローチを取ったと思います。

想定利回り9.4%の東京都内高利回り売りビル

東京都内で想定利回り9.4%の高利回り売りビルを提供出来る事となりました。1年ほど前に当社が購入して色々とバリューアップを図りました。物件の紹介をします。

 

 

高利回り売りビルのエントランス
高利回り売りビルのエントランス

大手生命保険会社利用のビル

 

当社は他の不動産会社から本物件を自己資金を多めに入れて購入しました。購入当時には幾つかの問題がありましたが、建物のクオリティーが悪くなかった為購入を決断しました。

 

問題点

問題点は大きく言って2点でした。

 

 

1.前オーナーが請求している電気代が安すぎていた。

 

2.1階を分割貸ししており、ワンフロア一括で借りたいというニーズを逃していた。

 

問題点は兎も角ローン付けに若干苦慮しながらもLTVで言えば60%程度の借入で物件を購入しました。

 

想定利回り9.4%(現在)

 

問題点1については、トータルで電気代を見直すことに着手しました。通常のテナントビルであれば請求すべきである電気の損失分や共益部分に関して全てオーナー持ちになっており、毎月電気で20万程ロスが生まれていました。

 

それを当社は電気のコンサルを入れて各自の利用状況や料金額を精査し、借りている広さだったり、電気利用額に応じて過去にオーナーが負担していた分をテナントに適切に払ってもらう事に成功。

 

問題点2については、たまたま、1階の3社あるテナントの一社が契約名義の変更等を申し出て来たことからそれを拒絶して退去を促し、残りのテナントに別の階への借り換えを促しそれに成功しました。その為、本来であれば一番家賃の取れる1階が変な形で分断されて居たことを解消する事に成功。

 

その空いた広々とした1階に半年間と短い期間ではありますが、大手法人の子会社のテナント誘致に成功。想定利回り9.4%という状態をほぼ確定する事に成功しました。

 

一部自社ビル使用も可能
一部自社ビル使用も可能

 

将来は一部自社使用も可能

 

もともと大手生保が利用していた見栄えのするビルではありますので、将来は一部自社使用される形の自社ビルもニーズにマッチするのではと思います。

 

減価償却が大きく取れる

 

土地の価格が都内でも23区ではないので比較的安く、その分建物の減価償却が大きく取れる形になります。また、建物価格が大きくなる分消費税の割合も大きくなり、消費税の課税業者となっている資産運用法人や一般事業法人であれば消費税の相殺や還付が受けられる可能性もあります。

 

まとめ

 

高利回り物件として資産運用法人の全体のポートフォリオの一角に考えられるのも良いですし、西東京エリアで自社ビル使用も兼ねて検討するには良い物件かと思います。

レオパレス問題、スルガ銀行問題とアパートローンの今後

「レオパレス混迷深まる」という記事が3月7日の日経新聞に出ておりました。レオパレス関連のアパートローンの融資残高が2兆円になるという記事が出ておりました。単なる一企業の不正を通り越して多方面に影響を与える問題になりつつあるなという感じです。

 

「レオパレス混迷深まる」はこちら
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO42127370W9A300C1TJ2000/

 

 

厳格化するアパートローン
厳格化するアパートローン

 

レオパレス問題

 

そもそもの発端はあるレオパレスオーナーが施工不良の確認をレオパレス本社に求めても全く取り合わなかったことからになります。

 

数年前から大きな問題になる可能性がある事を知りつつも目先の利益に走り、去年あたりだと広瀬すずさんを起用して大々的に毎日テレビCMをしておりました。今年はレオパレスのCMを見たことがないです。

 

テレビ東京のワールドビジネスサテライト等で取り上げられて株価が暴落して行政が動き、ようやく問題解決に乗り出したという状態です。

 

日経記事によると現在7,700人の入居者が早期に引っ越しを求められており、アパートローンの総額は2兆円に上るという事です。

 

レオパレスの物件において入居者を出して建築基準法に合致した建物にするリフォーム工事をするまでには莫大な費用も時間も掛かります。問題は退去させて工事をした後に同じように入居者が入ってくれるかです。もし、入居率が80%を下回るとオーナーにとっての損益分岐点を下回る様です。

 

その場合にはレオパレス物件に融資していたアパートローンが焦げ付くリスクが高まります。他に仕事があって収入がある方なら問題は無いのですが年金暮らしでアパート経営をされている方は非常に厳しい状況に立たされます。次に金融機関にしわ寄せが来るのです。

 

新宿区の老朽化したアパートの建て替え
新宿区の老朽化したアパートの建て替え

 

 

スルガ銀行問題

 

スルガ銀行問題は発覚から1年半が過ぎ、金融庁の処分が下りスルガ銀行の融資はほぼ完全にストップしました。金融庁の処分があと1か月程で解除となりますが、それでも以前と同じように融資がスムーズに出るかと言えば難しいでしょう。

 

また、スルガ銀行問題から他の金融機関へも調査の手が伸び、西京銀行でも不正融資が発覚しました。その為、現在金融機関全般のアパートローンの審査が非常に厳しく、融資のLTVも残存期間も総額も全て抑え気味になっております。以前であれば2,3億の融資は出ておりましたが、現在は相当な属性の方でないと2,3億の融資が出るのは難しくなっております。

 

尚、メディアでも出ましたが、最終的には西武信金等の信用金庫にも金融庁の調査が入ったという事です。

 

アパートローン返済予定表
アパートローン返済予定表

アパートローン

 

レオパレス問題が出る前から、スルガ銀行のスマートデイズをはじめとしたシャアハウス不正融資問題があり、金融庁はアパートローンに傾斜する地方銀行の監視を強めました。

 

そもそもアパートローンに積極的だったのは三井住友銀行等の都市銀行でして、それが10年程前でしたがフルローンで融資を出すという事で一気に広がりました。三井住友銀行は北海道の札幌の物件等にも最後は積極的に出しており、一時残高が多くなり過ぎてストップしたほどです。

 

それが、りそな銀行等の他の大手銀行にバトンタッチされ、次に千葉銀行等の地方銀行にバトンタッチされました。いずれの金融機関もそこそこのところでペースダウンして残高が増えすぎない様にしていたと思いますが、スルガ銀行だけはブレーキが効かずに野放図に伸び続けました。

 

スルガ銀行のアパートローンの停止期間が4月になると解除されますが、そこで一気に以前と同じペースで出るかと言えば難しくなっているのが現状です。

 

つなぎローン

 

また、アパートローンの前段階のつなぎローンをしている先にも調査が入りマネオというクラウドファンディングをする会社でも不正が発覚しました。本日3月8日の日経新聞ではクラウドファンディングを提供した投資家から訴えを受けているという記事が出ておりました。

 

ネット投資仲介を集団提訴の記事
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO42181270X00C19A3CR8000/

 

maneo不正発覚当時の記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32672970V00C18A7MM8000/

 

こちらは不動産会社や建築会社が老朽化した建物の入居者を立ち退かせて(権利調整)、壊して建築するまで等の短期的な資金や不動産の転売資金を提供していた先ですがそちらも融資を出すのが難しくなってきました。

 

小中規模のプロジェクトファイナンスも絞られてきたという事です。

 

アパート建築に必要なプロジェクトファイナンス
アパート建築に必要なプロジェクトファイナンス

 

今後の不動産投資における影響

 

アパートローンの動きと不動産投資の動きは正の相関関係がありまして、アパートローンがじゃぶじゃぶ出ると不動産投資が活発化し、不動産投資が活発化すると不動産価格が上昇します。

 

現在は全く逆の流れになっておりますので、不動産価格が下落するのは避けられません。それは私が半年くらい前に書いているコラムでも指摘しています。

https://www.minato-am.com/booklet/1

 

今後しばらくは売れる物件は早目に売却するというのが当社お勧めのプランです。ただ、自己資金比率を高めに安い物件を買うチャンスがこれから来ると思いますのでその時は買い出動しましょう。

今からのフィリピン不動産投資はやめておいた方がいい?

フィリピン不動産投資を実は当社も行いました。今のところの経緯や調査した観点から、これからされる方には基本的には止めておいた方が良いと思いますので私見をお伝えします。

 

 

フィリピンマカティ物件からの景色 Ceturia Medical
フィリピンマカティ物件からの景色 Ceturia Medical

フィリピン投資の可能性

 

フィリピンは英語力の高い若い人材が豊富にいる東南アジア屈指の潜在力のある国であるのは間違いありません。日本人が英語を学びにフィリピンへ短期留学する事もあり、ご存知かと思いますが英語力はアジアでナンバーワンといえるかもしれません。

 

人口動態も若い世代が多く、出生率もまだ高く子供が多い家庭が多いのも特徴です。人口ボーナスがあるといえます。

 

シティバンク等の名だたる欧米の金融機関やIT企業がコールセンターを置いているのもフィリピンです。(BPO Business Process Outsourcing)

 

ただ、そういうポジティブな潮流の一方フィリピンの不動産投資を積極的に勧められない点もあります。

 

 

フィリピンマカティの新築物件共用部
フィリピンマカティの新築物件共用部

フィリピンの物件価格と世帯年収

 

フィリピンの居住用不動産を調べた際に分かった点は地元の人で購入出来る人が極めて少ないという事です。日本の場合であれば東京都心であっても平均世帯年収の6倍も出せば家(マンションを含む)が買えます。(例:600万の年収の人が3,600万前後のマンション等は一般的です。)

 

ところがフィリピンはこの比率がかなり高いです。

 

価格と年収比率のレシオ (price to income ratio)https://www.numbeo.com/property-investment/rankings_by_country.jsp

 

日本の価格と年収の倍率は11.5倍(この倍率は非常に年収の低い高齢世帯なども含まれた数字だと思われます。)で世界の50番目の位置です。それだけ家の買いやすいのが日本と言えます。

 

ちなみにアメリカは93か国中で92位です。場所を問わなければ家を最も買いやすいのがアメリカと言えます。

 

ところがフィリピンの居住用不動産の場合には21.83倍でフィリピンのマカオのマカフィー近郊は25倍やそれ以上になります。世界で7番目の倍率になっています。(確か以前調べた際には上海が相当高かったです。)

 

基本的にはこのレシオが高い所は地元の人が家を持てないエリアで、不動産購入者のすそ野が狭いのが現状です。また、その様な市場の場合は不動産の価格自体が割高であると言えますので他国の投資家だよりと言えます。

 

東京のマンション
東京のマンション

 

 

日本の不動産購入と異なる点

 

他にも私があまりフィリピンの不動産購入をお勧めしないのが、家賃があまり取れない物件が多いという事もあります。

 

物価が高くないフィリピンでは当然家賃も低く、物件価格が高い割には家賃が取れないのが現状です。また、不動産管理の仕組みが近代化されておらず、家賃の受取等を現金だったり、チェックでの受け取りとなります。日本の不動産投資になれている人にはかなり抵抗のある点です。

 

ただ、プラスの面はインフレ率が高いので家賃もインフレスライドで上がっていくという点です。今の日本ではない家賃の設定方法です。

 

 

フィリピンマカティーのメディカルモール
フィリピンマカティーのメディカルモール

当社が行ったフィリピン不動産投資とは

 

当社が行ったフィリピン不動産投資はメディカルの商業物件の区分投資でした。上記の様に居住系の物件が地元の人にとって非常に高くこれ以上の上昇や売却が難しいと思った事と、メディカルの区分所有が珍しかったからです。ただ、それも先を読み過ぎてしまい、入居が2年以上決まりませんでした。それが漸く先日契約となりました。

 

当社が行ったフィリピン不動産投資は結果から言えば先を読み過ぎてあまり効率的ではない失敗だったと言えますが、一方、今回の投資を通じて様々な経験をすることが出来ました。

 

当社がお勧めするのは、フィリピンの居住用コンドミニアムは高すぎるし、賃貸が入らないのでなるべく触らない事。もし、購入する場合には民泊等のインバウンド(フィリピンにとっての)で活用が出来る物件に限って考えるべきかと思います。

 

 

メディカルモールのテナントの入った区分
メディカルモールのテナントの入った区分

 

 

まとめ

 

まとめとしては、今からのフィリピン不動産投資は極めて深く学んだあとでなければ行わない事をお勧めします。日本の常識は全く通用しません。現地の人が帰る健全な状態になるまで不動産価格が下がるか、現地の人の年収が上がってくることが今後の投資の際のポイントになるかと思います。

 

例外的にインバウンドで観光客向けの民泊等はありかもしれないと思います。それもかなり現地に信用のおける人が居て。

海外不動産を見ると日本の不動産が分かる?

直近日経新聞の一面にグローバルな不動産市場に変調が見られるという記事が出ておりました。どの様に読み解くか…

 

日経新聞2019年2月24日で詳しく取り上げられています。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO41681680T20C19A2MM8000/

グローバルな不動産市場の過去の牽引役

 

グローバルな不動産市場の過去の牽引役が誰だったかをまずは考えてみたいと思います。グローバルな不動産市場の明らかな牽引役は3つのカテゴリーに分けられます。1.機関投資家による投資2.オイルマネーによる投資3.中華系の方の投資の3つのカテゴリーが世界の不動産市場を引っ張ってきました。

 

日本の不動産の行方
日本の不動産の行方

機関投資家による投資

 

不動産REIT等の機関投資家による投資は現在のところあまり大きな変調は見られないというのが正直なところです。

 

アメリカのFRBをはじめとした中央銀行の緩和姿勢が大幅に変わっていない事から安定度の高い不動産投資に機関投資家のマネーは引き続き入ってきていると思われます。但し、日本でもそうですが不動産価格が上がり過ぎた為にこれ以上の上値を機関投資家が追ってくるかと言えば疑問です。

 

資金は潤沢にあるが、買いたいレベルの物件が無いという話を聞くことが富に多くなっております。

 

 

日の入り直前か?
世界の不動産市場も、日の入り直前か?

 

オイルマネーによる投資

 

 

広い意味でのオイルマネーの投資は特にロンドン等の世界的な都市で非常に力を発揮しました。ロンドンの不動産等はロシアや中東等のオイル関連マネーによる投資が盛んだったと数年前には言われております。

 

ただオイルマネーに関しては100ドル以上だったオイル価格が50ドル前後で推移するようになり、新規のオイルマネーによる投資は下火になって来たようです。

 

フィンランドのお客様はロシアマネーによる投資がフィンランドや北欧の都市でも活発であったと言っておりましたが、今は大分変ってきたかもしれません。

 

中東の対ヨーロッパ投資下火にの記事参照
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41058800Y9A200C1000000/

 

中華系の方の投資

 

 

中国人を含む中華系の方の買いは非常に活発でした。ビザや永住権が取れる関係でカナダやオーストラリア等が特に人気でしたし、それが他のエリアにも飛び火しました。その一部が日本にも来ました。シンガポールや香港に代表される中華系のエリアの大都市は非常に高い価格で不動産が推移した為、代替的に投資できる場所として東京をはじめとする日本の都市にも資金が投下されました。

 

ところがオーストラリアでは昨年7~9月の住宅価格指数が前年に比べて1.9%下がったそうです。実に6年ぶりの下落だという事です。(2019年2月24日付日経新聞)

 

中国政府が資本の流出を規制した事も1つの要因の様です。米中貿易戦争もあり、中華系の方の投資が益々増えて行くというよりはピークは過ぎたと考えるべきかと思います。

 

また、中華系の方の投資は、米中貿易戦争のお陰でかなり大きな変化を遂げてきつつあります。

 

ファーウェイの役員がカナダで逮捕されたり、オーストラリアで著名な中華系の投資家が入国禁止になったのをご存知だと思いますが、中華系の方がこぞって購入していたカナダやオーストラリア等の国々で危機感が高まって来ております。

 

また、地元住民との摩擦も大きくなってきました。

 

不動産価格が上がれば良いかと言えば地元の人達は居住する為の物件が減少し問題となっておりました。

戸建不動産も余ってくる?
戸建不動産も余ってくる?

日本の不動産市場への影響

 

 

日本の不動産市場に関しては機関投資家が好むような東京でも都心5区の商業エリアの物件は引き続き強く推移すると思われます。銀座や渋谷などの繁華街になります。

 

一方、東京都でも戸建てエリアはもとより、タワーマンションエリアも頭打ち若しくは下落基調に入ってきていると思われます。特に海外の一等地との比較で買われていた物件等が中華系の方の投資等が鈍化している状況の為その動きは顕著になってくると思います。

 

数年前なら香港やシンガポールの一等地は2%前後の利回りで、それに引きずられて都内のマンションが安いと言われておりましたが、基準となる香港やシンガポールの不動産市場が頭打ちになってきているようですので、これ以上の上昇は難しいでしょう。

 

消費税の増税前の駆け込み購入も今回は今のところあまり見られません。

 

結論としては、「日本の不動産が海外に比べて安い」と言って買いあおっていた先が多かったと思いますが、実際は海外の不動産が安くなってきて、日本の不動産も銀座などを除いて連られて下がり易いというのが現在の状態かと思います。

 

「オリム(ン)ピック以降の不動産価値が下がる三つの理由」にも書いてますので、気になる方は読んでみてください。
https://www.minato-am.com/booklet/1

複数の不動産資産運用法人による過剰融資

2019年3月2日付の朝日新聞デジタルによると一個人が複数法人を設立して、その物件購入で10億超の借入をしたが、新規案件をストップされて困っている方がいるそうです。信用調査の裏をかいた方法での物件購入な訳ですが、実際どんなものか概略をご説明します。(1法人1物件スキーム)

 

 

朝日新聞デジタルの記事はこちら
https://www.asahi.com/articles/DA3S13916120.html

不動産資産運用法人とは

 

資産運用法人として上場企業のオーナーなどが自社株を所有するのに利用していたスキームが不動産投資にも一般向けに流用されたものです。

 

以前は有限会社や株式会社が使われてましたが、最近では合同会社が使われております。

 

多くの場合、合同会社を設立してその会社が主体となって不動産投資やその他の資産運用を行う形です。この資産運用法人が1社で株主である個人は、それを利用して銀行から融資を受けて物件を買っている分には、通常の取引となり特段問題ありませんでした。

 

不動産投資
不動産投資

不動産資産運用法人による借入

 

それが今回どこを問題とされたかと言えば、同一個人が複数の資産運用法人を持って、個人の連帯保証をする形でそれぞれの資産運用法人で多額な借入をする際に、その人が関わっている他の資産運用法人を金融機関に状況を伝えなかったという点です。(1法人1物件スキーム)

 

各金融機関からすればAさんが「○○アセット合同会社」で話を持ち込んだ場合には、以前であればその人はその金融機関に一つの資産運用法人のみ所有してその運用の為の借入を依頼していると思ってました。

 

ただ、それもここ1年前後のスルガ銀行問題、TATERUの問題、レオパレスの問題等から変わってきています。

 

 

ローン返済予定表
ローン返済予定表

 

複数の資産運用法人利用による借入

 

資産運用法人が一社で金融機関も把握しやすかったのが4,5年前です。

 

ところが、このAさんが「△△アセット合同会社」や「××アセット合同会社」と複数の資産運用法人を持っており同様に他行から借入を行い、個人の連帯保証をしていたらどうでしょうか?

 

Aさんの個人の借入という点では信用調査会社のデータ上は残らずに、各々の資産運用法人の融資残高だけが記録に残るという点を活用(悪用?)した方法になります。金融機関としては少し前までは個人の資産運用法人が他にあるとは考えてもいなかったのです。

 

私は信用調査会社のデータがどの様の出るのか100%把握しているわけではありませんが、個人での借入の場合にはAさんという個人でどれだけ借り入れがあるかという事が名寄せ出来ると聞いております。

 

ただ、株主である各資産運用法人の連帯保証をしているという点が借入をしていると同次元で信用データに反映されていない様なのです。

 

ある意味、元金融機関出身者が融資の裏側まで熟知した悪知恵から始まったスキームとも言えます。

融資申し込み
融資申し込み

 

複数の資産運用法人利用による借入による問題

 

複数の資産運用法人を使っての不動産投資の問題点は、これから融資を行う金融機関としては個人の信用状況を把握出来ない事があります。また、不作為と言えども情報を提供しない個人は悪意を持って盲点をついてきているところが問題です。

 

借入が無いと思って融資をする銀行からすれば、借入と同じ意味を持つ連帯保証が他の資産運用法人に出されておる状態になります。

投資用不動産市場に及ぼす影響

 

とは言っても、投資用不動産市場にこの様な裏技というかスキームが塞がれた事による影響はあまり大きくないと思っております。そもそも、5社、10社と複数の資産運用法人を設立して不動産投資をしていた人はそれ程多くありません。

 

また、新聞記事では最近出たので最近の事象に思われますが、実はこの2年ほど前から私共や他の不動産会社も問題だと認識しておりました。

まとめ

 

今までこの様な悪いスキームをしてこなかった方にはチャンスが巡り易くなるかもしれません。スルガ銀行の問題もまともにやって来た方にはあまり問題ありませんでしたし、正常化の過程で出てきた膿と考えれば良いかと思います。

アメリカ不動産投資のキャピタルゲインをドル投資

私が付き合いのある某大手証券からの案内で東京グリーンボンド(外貨米ドル)が発行されるのを知りました。

 

期間5年のドル債ですが、2.91%の利回りで東京都が発行体(債券の発行会社)でリスクが抑えめなのに良さそうだと思いましたのでご紹介します。

 

そもそも私の場合はアメリカ不動産投資を2012年頃に行いましてドル円が80円前後でしたが、物件を既に売却し円金利が低いのでドルのまま保有しているという状況でございます。回さないと行けないドルがあるという状態です。

 

 

太陽光発電等もグリーン化に貢献
太陽光発電等もグリーン化に貢献

 

 

 

債券概要

売出期間

売出期間は2018年12月7日~17日になります。ボーナス時期を意識した売出期間になっているなという感じです。

発行体

発行体は東京都になります。日本で一番裕福な自治体ですね。

 

売出価格と申込単位

売出価格は100%で申込単位が1000米ドル単位になります。日本円で言えば11万前後で一単位投資できます。

利払日

毎年6月17日および12月17日の年2回です。これも丁度両方ともにボーナス時期と重なります。

償還日

元本が返ってくる償還日は2023年の12月15日になります。

購入対象者

購入対象者がユニークで東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県に在住または在勤・在学の個人および同エリア内に営業拠点のある法人・団体等となっています。

 

購入限度額

一団体あたり50万米ドルと債券発行としては小ロットに抑えてあります。

 

資金使途

資金使途が以下の項目に絞られております。主にグリーン化にプラスとなる事業への投資となっています。

 

1.都有施設・道路の証明のLED化

2.都有施設のZEB化推進(ネットゼロエネルギービル化)

3.公園の整備

4.東京島しょ海岸保全整備事業

 

 

アメリカ西海岸のサンセット
アメリカ西海岸のサンセット

市場環境

ドルの金利環境を考える必要がありますが、ドルの金利はアメリカの経済によって決まってきます。今後金利が上がるので上がった時に投資した方が良いのでこの様な投資は先延ばしにするのも一つの考えです。

 

ただ、現在アメリカのFRB(連邦準備銀行)は政策金利の利上げ数を今まで想定していたよりも少なくする方向に傾きつつあります。

 

直近のFRB議長のパウエル氏の証言で分かると思いますが、金利上昇はあるかもしれませんが、後少しの上昇しかないと市場は見始めております。その様な状況では期間5年のこの様な債券への投資もタイミングとしては悪くないのではと思います。

 

まとめ

発行総額がチラシには書かれておりませんので分かりませんが、それ程大きな額には思えません。恐らく100億行くかどうかなのかと思います。資金使途も東京のグリーン化だという事ですし、趣旨にも賛同しやすいことから小口の外貨投資としてはローリスクミドルリターンの案件ではと思います。

住宅ローン減税を間違って利用

2018年12月11日の日経新聞によると住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)、住宅購入者が誤った申告をし、国税当局もミスを見落としているそうです。

 

その為、税金を控除しすぎていた人が2013~16年の4年で1万数千人いたことが11日、関係者の話で分かったという事です。対象者は数万~数十万円程度の追加納税が必要になる可能性がある。会計検査院の指摘で発覚。近く国税庁が公表する予定です。

 

住宅ローン減税を利用して住宅購入
住宅ローン減税を利用して住宅購入

住宅ローン減税申告間違いの背景

 

日本では納税者が自ら税額を申告して納付する「申告納税制度」を採用しており、正しく納税した人との公平を保つ必要がある。

 

国税側にミスがあったとしても、税金が不足している場合は納税者の納税義務は逃れられません。ただ、延滞税などのペナルティーは科されないようです。国税庁は今回の対象者に申告の見直しを求める方向で検討しているそうです。

 

住宅ローン減税は、住宅ローンを組んで自宅を購入した場合に年末のローン残高などを基に計算した金額が所得税の額から差し引かれる仕組みです。

 

 

住宅ローン減税の申告間違いのケース(贈与があった場合等)

 

申告ミスのうち1万人程度は、親などから住宅購入資金の贈与を受け、申告して非課税の特例を利用したケースだそうです。住宅の購入価格から贈与額を引いた差額か年末の住宅ローン残高か、少ない方を基に控除額を計算する仕組みになっています。

 

家具購入、自動車購入や不動産手数料の支払いなどのため、贈与とローンで購入価格を上回る資金を用意した人は、ローン残高の方が多くなることがある。

 

三井住友のローン返済予定表
三井住友のローン返済予定表

 

 

住宅ローン減税の控除し過ぎの例

 

例えば親から1000万円の贈与を受け、2500万円の住宅ローンを組んで3000万円のマンションを購入した場合、3000万円から1000万円を引いた差額は2000万円。年末のローン残高が2400万円だったとすると、2000万円を基に控除額を計算することになる。

 

こうしたケースで単純にローン残高を基に申告していた人が多数いたそうです。税務署側も贈与の申告書と住宅ローン控除の申告書の突き合わせなどのチェックを徹底していなかったとの事です。

 

 

住宅ローン減税と他の特例の併用のケース

 

また、自宅を売った利益のうち3000万円までは非課税となる特例制度を利用した場合、新たに住宅を購入しても一定期間は住宅ローン減税を利用できません。ただ、2つの制度を誤って重複利用していた人もいたそうです。

 

まとめ

 

住宅ローン減税制度は、住宅取得の促進などを目的に1972年度の税制改正で導入された「住宅取得控除制度」がルーツとされる。

 

また、国民の住宅購入を支援するという名目があり反対が出ずらい制度の為、毎年の様に更新されています。

 

住宅への優遇処置は乗数効果が高く、景気対策などを理由に条件や控除額などの変更が繰り返されてきて、複雑な制度になっている。

 

 

 

*乗数効果  乗数効果(じょうすうこうか、英: Multiplier effect)とは、一定の条件下において有効需要を増加させたときに、増加させた額より大きく国民所得が拡大する現象である。景気刺激の際に乗数効果の大きい政策を政府は選ぶ傾向にあります。(建築不動産、自動車等)

アパートマンションオーナーは遺言を書くべき!!

不動産投資は自分の代で始めるという場合と、親の代で行われていたのを引き継ぐ場合の二つのパターンがあります。私共が見ていると親世代が不動産投資を始めている場合に、多くの場合で相続でもめる事となります。

 

アパートマンションオーナーこそ遺言を書くべきなのです!!

 

自宅だけでも相続問題は争いになるといわれいますが、それが収益不動産も絡んでくると複雑を極めます。そんな中で不動産投資をされているアパートマンションオーナーにとって救いは様々な防止策があるという事です。その一つが遺言になります。

 

相続法改正の一環として2019年1月13日から遺言の方式緩和がなされますが、当社がサポートしているえがお相続相談室でこの日を「遺言(1)の意味(13)を考える日」として記念日登録しました。

 

遺言(ゆいごん、いごん)は今までは堅苦しく、難しく、費用の掛かるもので一般の人にはあまり関係ないと認識されていました。それが、この1月13日を境に一般の人に近い存在になっていくと思われます。

 

相続対策で建てたマンション
相続対策で建てたマンションでも遺言等の相続対策は必要

 

 

 

 

相続法改正の施行スケジュール

 

相続法改正(民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律)の施行期日は,以下のとおりです。

 

(1)  自筆証書遺言の方式を緩和する方策

2019年1月13日

 

(2)  原則的な施行期日

2019年7月 1日

 

(3)  配偶者居住権及び配偶者短期居住権の新設等

2020年4月 1日

 

残される母親が安心して暮らすための手続のすべて
残される母親が安心して暮らすための手続のすべては相続対策も満載

 

 

自筆証書遺言の方式緩和とは

 

自筆証書遺言の方式緩和のポイントは今まで、自筆証書遺言は全部自筆で書かなければなりませんでしたが、それを一部財産目録等に限ってパソコンでの作成やコピーなども可能となりました。(記名押印等の要件がありますが)

 

不動産投資をされている方の場合には物件の数も多く、土地が何筆にも分かれている場合もあり財産目録の作成に手間取り、中には間違いが多く発生しておりました。

 

折角作成した遺言書も内容が間違っていては問題です。1月13日以降は費用のほとんどかからない自筆証書遺言を作成して将来に備えたいという方が増加するのではと思われます。

 

 

自筆証書遺言について詳しくはこちらをご確認ください。
http://u0u0.net/NXCc

高輪ゲートウェイ駅に決定!(東京都港区高輪、東京都港区港南立地)

田町駅と品川駅の間で建築が進んでいる新駅が『高輪ゲートウェイ駅』に決定したという事です。地元の商店会等は「高輪駅」を推していたようですが、国際的なイメージも考慮してか『高輪ゲートウェイ駅』となったようです。(東京都港区高輪エリア)

 

高輪ゲートウェイ駅
高輪ゲートウェイ駅という名前が本日発表されました。その、今日の姿になります。

品川駅の車両基地
品川駅の車両基地の姿です。3,4年前の取り壊し前の姿になります。

 

高輪ゲートウェイ駅になるまで

 

この駅は山手線の駅としては約40年ぶりに出来る新駅になります。山手線の田町駅と品川駅の間が兼ねてよりどの駅の間よりも長い距離であるという事で話は昔からされてました。

 

それが、東京オリンピックの決定後に徐々に動き出し、また東京名古屋間のリニアモーターカーの始発駅の候補として品川駅近辺が考えられていた為、東京の南の玄関としてのみならず、日本全国へ、世界への玄関としての意味が出てきました。

 

私が知る限りでは、私共の不動産会社が「高輪ゲートウェイ駅」に恐らく一番近いという事もあり常にその変遷を見届けておりました。

 

当初は電車の車両基地だった場所が取り壊され、線路が西側から東側に移動され、広いスペースを作りそこを駅の第一京浜からの入り口広場にするようです。

 

また、品川駅とは徒歩7,8分の距離でもありますので、羽田空港に着陸する旅客者の乗り換えも容易に出来る様になると思います。恐らく歩く歩道などで品川駅と高輪ゲートウェイ駅が移動出来る様になるのではと思われます。

 

今回高輪という名前が入ったため、不動産的には「高輪」住所の物件の価値が高まる可能性があります。高輪は地方の方などからは間違って呼ばれてましたが(たかわ?など)今後は正しく(たかなわ)と正しく呼ばれるようになるのではと思います。

高輪ゲートウェイ駅
高輪ゲートウェイ駅の工事現場。2018年12月4日の姿

 

 

 

高輪ゲートウェイ駅・品川駅・泉岳寺駅の開発

 

1.現況

港区港南1丁目、港南2丁目、芝浦4丁目、高輪2丁目、高輪3丁目及び三田3丁目各地内で面積が約18.3ヘクタールもあります。用途地域としては、準工業地域と商業地域の混合エリアになります。(東京都資料一部抜粋)

 

2.経緯

 

高輪ゲートウェイ駅・品川駅・泉岳寺駅の開発にあたっての経緯は以下の様になっています。以下の発表のたびに私達もカンファレンスに参加してきました。

 

2014年6月 JR東日本による田町駅~品川駅間における新駅設置の発表

2014年9月 品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2014策定

2016年4月 品川駅周辺地区再開発促進区を定める地区計画の都市計画決定

2017年2月 品川新駅工事着工

2017年3月 品川駅北周辺地区まちづくりガイドライン策定

 

品川駅高輪ゲートウェイ駅近辺の都市計画
品川駅高輪ゲートウェイ駅近辺の都市計画

 

 

3.地区計画の目標

 

高輪ゲートウェイ駅・品川駅・泉岳寺駅の開発エリアにおける目標は以下の3つだという事です。(東京都の資料による)

 

・多様な交流から新たなビジネス・文化が生まれるまちづくりを促進

 

・品川駅と新駅(高輪ゲートウェイ駅)を核とした国際交流拠点の実現

 

・国際競争力に資する高質な機能が集積する複合市街地を形成

 

 

4.土地利用に関する基本方針

 

 

東京都の説明文書によるとこのエリアを以下の様にしたいそうです。

 

区域全体

品川駅と高輪ゲートウェイ駅を核として、国際競争力に資する業務機能の導入を図る。都心居住を支える都市型集合住宅や商業・生活関連機能等と併せて新駅前の利便性及び集客性を生かした複合的機能の集積を図る。

 

区域1

国際交流拠点にふさわしい都市居住を支える都市型集合住宅を中心とし、生活関連機能等の配置

 

区域2

国際交流拠点にふさわしい多様な文化交流機能を配置

 

区域3、4-1

商業、交流、宿泊機能等の複合的な機能を配置

 

区域4-2

周辺地域と調和して賑わいを創出する土地利用

(一部略)

 

2014年頃の品川駅車両基地近辺
2014年頃の品川駅車両基地近辺

 

 

まとめ

高輪ゲートウェイ駅・品川駅・泉岳寺駅の開発は巨大プロジェクトです。

 

東京都港区の開発で国内最大規模の開発ですが、国際的な都市機能を充実させるというプラスの側面と、今まで良くなかった山手線などの線路で分断されていた東西の往来や交流を創出し、品川駅近辺の分断された状態を解消する意味合いも持っています。

 

高輪ゲートウェイ駅の名前は何となくしっくりときませんが、山手線の中でも東京駅、新宿駅に並ぶ機能を持つ駅に育っていくのではと楽しみです。

 

みなとアセットマネジメント株式会社

代表取締役 向井啓和

 

 

高輪ゲートウェイ駅速報
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181204-00010014-abema-bus_all