マンション経営

マンション経営について

 

空前の低金利と先の見えない世界経済情勢の中で副業や投資(不動産投資)としてのマンション経営が見直されております。マンション経営は安定していて、ミドルリスク、ミドルリターンである等のイメージから興味を持たれています。

 

また、最近のシノケン等の「土地が無くても、頭金がなくてもマンション経営は出来る、私でも出来た!」的なテレビCMのせいもありマンション経営が安易に捉えられている感が高まってきております。

 

そんな中で不動産投資の1つのカテゴリーであるマンション投資とマンション経営について簡単にまとめてみました。

 

 

 

マンション経営
マンション経営

 

マンション経営とは

 

そもそもマンション経営とは何ぞやという話になりますが、大手分譲ディベロッパーが建てる分譲マンションを管理して行くのも広い意味ではマンション経営と言えますが、ここでは個人の方などが収益を得るために行うマンション投資にとってマンション経営をご説明します。

 

同じマンション投資でもワンルームマンション等を区分で買う区分投資の場合には1棟物のマンション経営ほど複雑ではありません。なので、一棟物マンション投資をした場合に話を絞ってご説明します。

マンション経営のメリットとデメリット

 

マンション経営のメリットは何かと言えば以下の様な項目になります。

メリット

1.入居者が複数に分散されており収入が安定している

2.マンションの場合には鉄骨や鉄筋コンクリート造などと異なり耐用年数が長く建物自体が頑丈で地震等の災害リスクが低い

3.マンションは耐用年数が長い為、借り入れも長期で行う事ができ不動産投資のキャッシュフローが得られやすい

4.マンションは立地が良ければ空室リスクが低く安定的に入居が期待できる。(23区の入居率は95%を上回っているという調査結果がある)

5.新築から5年位までは固定資産税の優遇などの税務上のメリットを得られる可能性がある

6.更地の土地に比べて相続税の評価減となる可能性がある

 

デメリット

1.規模が大きくなるので借り入れが大きくなる

2.経年劣化すると思わぬコストが掛かってくる

3.他の新築物件との競合があり、将来近隣でマンションが新築される場合に入居者が入りづらくなるリスクがある

4.現在の想定賃料が長期間継続しないリスクがある

5.更地にするにあたって解体費用等が高い

 

 

管理の行き届いたマンション
管理の行き届いたマンション

 

マンション経営成功のカギは管理

マンション経営成功のカギは多くの人が述べている通りマンション管理が如何にしっかりしているかによります。ただ、この管理も細分化しており大きく分けて3つほどの管理が必要になります。

 

ビルディングマネジメント

建物のスペック等のマネジメントになります。例えば、エレベーターの修繕や保守などの業務があげられます。マンションには他に様々な設備が備わっておりそれらを良い状態に管理していかなければなりません。他に、駐車場、玄関外構、屋上、避難経路、消防設備、貯水槽、受水槽、等々の設備が日夜問題なく動いていて成り立つのがマンション経営となります。

 

プロパティマネジメント

プロパティマネジメントとはビルディングマネジメントで細分化された物の管理から、建物の物理的な維持・管理業務、不動産を賃借するテナントの勧誘、交渉、賃貸借契約締結業務の代行、賃料・共益費などの請求や回収、トラブル時の対応などがあります。 また、プロパティマネジメント会社は、定期的にプロパティマネジメント・レポート(PMレポート)を作成し、所有者に対して報告します。

リーシングマネジメント

プロパティマネジメントの賃貸管理部分を抜き出すとリーシングマネジメントとなります。空室が出来た場合にどの様なリフォームを施すのが良いのか、どの様なスペックが好まれるか等の調査を行い、所有者等にフィードバックします。また、賃貸借契約の管理や火災保険の締結、テナントの延滞管理等も含まれます。

この様な異なる視点のマンション管理の専門家がそれぞれ知恵を出し合ってどの様にマンション経営を進めて行くか常にコミュニケーションを取る必要が出てきます。また、その際にはマンションオーナーである所有者とのコミュニケーションも含まれます。良いマンション管理会社は、良いコミュニケーションを取る会社とも言えます。

 

管理の良い共用部
管理の良い共用部

 

マンション投資のリスク

 

マンション投資のリターンについては誰もが分かっている事かと思いますが、マンション投資のリスクは見逃されやすいのでマンション経営のデメリットの所でも触れましたが、再度確認させて頂きます。

 

マンション投資のリスクは、建物のリスク、資金のリスク、入居者のリスクという面からみる事も出来ます。

 

建物のリスク

建物のリスクとは何かと言えば、マンション経営すると意気込んで新築マンションを建てたばかりには顕在化しませんが、経年劣化と共に増加します。様々な設備に不具合が発生し始めます。

 

エレベーター、貯水槽ポンプ、上下水道の給排水設備、屋上防水、消防設備等々が日々劣化しておりますので建物で問題が発生して、入居者に迷惑をかけるという事が起こり得ます。資金が潤沢であればある程度先回りして交換や修繕を進められますが、なかなかそうもいかないのが現実です。それらのリスクを長期的な修繕計画を基に管理していくのもマンション経営の重要な要素になります。

 

資金リスク

資金のリスクとは何かといえば、多くの場合にはマンション経営をするにあたり多額の借り入れを行っているかと思いますが、マンション経営で得られる資金を日常生活等の生活費に回し過ぎてしまっている場合に注意が必要です。

 

必要な修繕計画に基づいた修理が行いばかりか、突発的に発生する事故やトラブルに対応しなければなりません。その際に資金がある程度蓄えられていない場合には資金ショートしてしまう可能性があります。その為、手元の資金を把握しておくことも重要ですが、また、突発的な資金需要に対応出来るようなリスク管理として長期的な金融機関との付き合いなどをされておく事が重要です。

 

入居者リスク

入居者のリスクとは何かといえば、入居者が家賃を払えなくなるリスク、入居者が入らないリスク、入居者が亡くなる等のリスクがあります。入居者のリスクは年齢や性別、家族構成などによっても大きく異なります。

 

若者が中心のエリアの場合には亡くなられるリスクは低くても、家賃不払いのリスクはあります。一方、65才以上の高齢の入居者の場合には家族構成がどうなのか、近くに身内がいるのか、サポートがあるのか等様々な要因が重要となります。単身の高齢者の場合にはこのリスクが一番高くなります。

 

では、そういった人を入れなければ良いのでは?と思われるかもしれませんが、現実的には日本の人口構成が高齢者が増加するいびつな形になっておりますのでその様な人を入れなければ入居してくれる人がいない場所もあります。その為、マンション投資で重要なのは場所の選択になります。これについては別の機会で書きたいと思います。

 

まとめ

マンション経営はテレビCMで言われる様に「頭金が無くても、土地が無くても、出来る!」かもしれませんが、安易なスタートは数年から10年後に大きな後悔となってしまうかもしれません。

 

マンション経営には管理が大事であり、その管理も建物等の物理的な管理、と資産負債や賃貸契約の管理等の大きく分けて2つの観点から重要だと理解してください。

 

そして、マンション投資をしてマンション経営をして最初のころはキャッシュフローがあるので気が大きくなるかもしれませんが、いずれ、建物は老朽化し、家賃は減少し、費用は増加する事を肝に銘じなければなりません。