サブリース契約トラブルを回避するには?

スルガ銀行が融資したシェアハウス大手のスマートデイズが破綻して多くの投資家が被害を被っているニュースを皆さん聞かれていると思います。

その他にもスルガ銀行やの他地銀の取引先の他のサブリース会社でも懸念が高まっております。

 

30年一括契約のサブリースに関して、国は問題の洗い出し等を行っております。

 

国土交通省からは「サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!~トラブルの防止に向けて消費者庁と連携~」というプレスリリースが出ております。

 

http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000166.html

 

 

サブリースでのマンション投資
サブリースでのマンション投資

 

 

サブリース契約とは

サブリース契約とはリース契約(賃貸借契約)を家主が直接借主と結ぶのではなく、管理会社が各借主とリース契約をしてその契約を一括して家主とする契約である。マスターサブリース契約というのが多い。

 

サブリース契約のメリット

 

サブリース契約のメリットは家主にとっては各借主と契約しないことによる様々なメリットが存在します。それを以下に箇条書きします。

 

①家主が各借主と直接交渉契約をしなくて良い。契約時の事務手間が大幅に削減できる

②家主が家賃の収受、滞納管理、滞納者への督促等を行わなくて良い

③家主は入居者の入居状況に関わらず定額の賃料を管理会社から受け取ることができる。

④家主が金融機関から借り入れをする際に管理会社が安定した会社である場合には融資を受けることが容易となる。

⑤管理費、小修繕費、募集にあたっての広告宣伝費等のコストがサブリース契約に含まれており家主の負担が見かけ上ない。

⑥物件の管理も入居者の管理も全てを任せられ、管理会社が機能している時は楽である。

 

サブリース契約のデメリット

 

サブリース契約のデメリットは多くの場合表面化しておりませんが様々なデメリットが存在します。それを以下に箇条書きします。

 

私共が管理を引き継いだ物件等で以下の様な問題が多数存在しておりました。

 

①家主が契約する管理会社の信用状況悪化のリスクを負う

②家主が契約しているサブリース契約が家主に不利な状態に改悪交渉を受ける可能性がある。

③家主が金融機関から借り入れをする際にサブリース会社の信用力が低いことが理由で融資が通らない場合がある

④家主が大規模な修繕は行わなければならないがそう認識していない場合がある。

⑤家主が不当に不利な解約条件に従わなければならない場合がある。高額な解約費の請求だったり事前解約通知の要請がある。

サブリース契約前調査
サブリース契約前調査は物件調査、サブリース契約調査、サブリース会社の調査まで

 

 

 

サブリース契約の注意点

 

サブリース契約の注意点としては上記のデメリットの所と関係します。サブリース契約のみならず、アパートマンション等の建築契約とも連動しておりますが、以下の点を注意すべきと思います。

サブリース契約の賃料変更リスク

 

サブリース会社は長期の契約であたかも同じだけの賃料が非常に長期にわたって保証されているかのような説明をしますが、実際には家賃の見直し条項が必ず入っております。その条項を確認して納得がいく条件かご確認ください。

 

サブリース契約の解約リスク

 

サブリース会社が信用力の高い会社でサブリース期間何の問題も無く存続できるのであれば良いのですが、実際にはサブリース会社が破綻するケースは意外と多くあります。

 

サブリース会社が破綻した場合にはサブリース契約が解約され、家主は途方にくれます。

サブリース契約外の出費増加リスク

 

サブリース契約は建物を建てた新築時に行うのが多いわけですが、建物が古くなって10年、20年と経過してくるとサブリース契約以外の出費が増加してきます。

 

サブリース契約と共にマンションの請負契約をする業者はサブリース契約以外の費用が掛かる事をあまり説明しておりません。

 

事前にサブリースでカバーされない出費がどの程度あるかを聞くようにしましょう。

 

また、実は新築時ほど家主にとってはサブリース契約が必要無いのです。サブリース契約等なくても賃借人は新築物件であれば入居してきます。

 

本来は、アパートマンション建築請負会社はサブリース契約と通常の管理契約の両方を提示すべきだと当社は思います。

 

 サブリース契約外の大規模修繕
サブリース契約外の大規模修繕

 

 

サブリース契約で多いトラブル事例

 

サブリース契約勧誘

 

・不動産会社や建築会社がしつこく営業をしてくる

 

サブリース契約家賃減額

 

・十分が説明がないままに家賃保証額を下げられる。
・15年前に建てた賃貸アパートの賃料をサブリース会社が下げると言っているが、ローンの返済が困難になる。

 

サブリース契約事業者対応の相談

 

・サブリース会社と契約を締結してローンが実行されたがその後その事業者と連絡が取れなくなった。

 

サブリース会社の破綻の前兆

 

皆様の参考にして頂きたいのですが、サブリース会社の破綻には前兆があります。まず、家賃の支払いが遅れます。当初は数日程度から、徐々にその遅れが長引き一か月遅れなどになってきます。

 

また、その後は何度請求しても全く払ってこなくなります。ところが、その時には借主からの家賃収入は管理会社であるサブリース会社に毎月入金されております。この期間をサブリース会社はなるべく長引かせ、その後破綻処理に向かうのが通常です。

 

これは計画倒産と言っても良いですが、事業が立ち行かないのが見えてきて少しでも資金を確保したいという経営陣の動きになります。

 

ちなみに、過去あったケースですが、サブリース会社の破綻の前兆を事前に聞いていたみなとアセットマネジメント株式会社では、1か月程度振り込みが遅れた段階で弁護士にも相談の上サブリース契約の解除と振込先の変更通知等を送るなどの対処をしまして傷口を小さくしました。

 

まとめ

 

サブリース契約には良い面も悪い面もありますが、売り手側の業者は良い面しか伝えないのが常です。良い面しか伝えない業者を避ける事をそもそも排除して考える事をお勧めします。

 

また、独自の調査を行う事をお勧めします。当社などでは、帝国データバンク等の調査会社の情報を調べ、ネット等での調査も行って、契約書も顧問弁護士にチェックしてもらってその契約のリスク等をお伝えしております。

 

皆様もサブリースで物件を建てるという前段階では是非、背面調査と契約書の専門家によるチェックだけは行ってください。