不動産売却
不動産売却
1.不動産売却はどういう時考えるべきか?
不動産の売却についてご説明します。不動産投資等をされない一般の方の場合には不動産の購入も売却も人生に一度あるかないかの事かと思います。
その一生に一度か二度の不動産売却を成功させる為に是非多くを学んで備えてください。(その為のコラムを多く書くつもりです。)
不動産売却を考える際に以下の4つほどの局面があります。
- 住み替えによる不動産売却
- 相続による不動産売却
- 離婚による不動産売却
- 廃業による不動産売却
- 住み替えによる不動産売却
住み替えにも幾つかのパターンがあります。一つは、家族の増加に伴う住み替え。もう一つが、家族の増減とは関係なくこれからどう生きて行くかの人生の選択を伴う住み替えです。
結婚したり、子供が生まれたりと家族が増える事によって今まで持っていた不動産が手狭になったり、便利でなくなって売却という話は結構あります。
その際には、売却と共に購入も関係してくる場合が多くあります。
人生の選択を伴う住み替えの場合には実家に戻って親の面倒を看るとか、都会のサラリーマンを辞めて家を継ぐとか、定年退職をして田舎暮らしをする等あります。
いずれのケースでも、住み替えによる不動産売却は次の住居の購入や賃貸とセットで考える必要が強い形になります。 - 相続による不動産売却
相続による不動産売却はこちらも二通りのパターンがあります。相続後1年前後で親が住まなくなった実家を売却されるというパターンと、相続後相続問題で揉めているのか、それとも心情的に売れないのかは別として相続経過後長期間経過しての売却があります。
最近では20年前後経過してからの売却が増えております。
相続後1年程度での売却の場合にはあまり問題になりずらいですが、相続問題で揉めている場合には不動産会社のみならず、その他の専門家の手助けが必要となります。(弁護士、税理士、司法書士、行政書士、測量士等) - 離婚による不動産売却
離婚による不動産売却は結構面倒を伴います。多くの場合には別居状態で不動産の売却を検討されておりますが、住宅ローンが関係し売却を渋る配偶者との折衝等が必要になったりします。
こちらも弁護士等の手助けが必要なケースを多く見ます。離婚の際に問題になるのが、購入当初にどれだけ資金を双方が出したかと、住宅ローンの返済をどちらがしていたかになります。 - 廃業による不動産売却
最近は倒産件数が減少している為、廃業による不動産売却は減少気味です。但し、今後の経済状態によっては増加してくるかもしれません。
廃業による不動産売却の場合には住宅ローンのみならず他の債務との調整等もあり銀行融資等に強いコンサルタントの方などのヘルプが必要な場合もあります。
2.不動産売却の際の優先順位
不動産売却の注意点としてまず一番大切なのは、あなたが何を一番大切にされるかという事につきます。
通常は出来るだけ高く売れる事が重要になりますが、中には価格も大事だがそれよりも出来るだけ早くけりを付けたいというケースもあります。
離婚による不動産売却等がそのケースになる事があります。
また、それ以外の事を優先されるケースもあります。例えば、同じマンションの人に知られたくないなどです。本来であれば同じマンションの人にチラシを撒くのが効果的ですが、それを望まないケースもあります。(同じマンションで買い増しや、親等の親族を呼び寄せるケースがあります。)
①価格
②時間
③それ以外
3.不動産売却の注意点
不動産売却の注意点としては上記の優先順位を基に、売主の優先順位を守れる形で売却を進める事が重要です。価格を優先したいのであれば、時間がどれだけ掛かっても良しとする気構えが必要です。
もし、価格を優先するのであれば、買取を勧める不動産会社ではなく、不動産売買仲介に実績のある先を選ぶ必要があります。
また、時間を優先するのであれば価格は通常よりも安くなってしまいますし、仲介で時間を費やすのではなく買取業者を当たるか、買取業者への売却で不動産会社に動いてもらう必要があります。
それ以外の点を優先する方の場合にはケースによって不動産売却の注意点は異なりますが、信頼おける不動産会社とパートナーを組む必要がより強く求められます。
4.不動産売却の際の方法
専属専任媒介
仲介を1社の不動産会社にのみ依頼する契約で、他の不動産会社に重ねて仲介を依頼することは契約で禁じられています。
自分で見つけてきた相手方(親戚や知人と直接交渉した場合など)についても、その不動産会社を通して取引することが、契約で義務づけられています。
信頼できる一社に売却を依頼し、より、真剣度を示して早く売却する事を希望する際に向いていると言えます。
専任媒介
信頼できる一社に売却を依頼する一方、自分で親族や友人等で物件購入を希望する人がいた場合に売買ができる方法である。多くの不動産会社を相手にしなくて良い一方、自分の関係者には独自にあたれるメリットがあります。
一般媒介
複数の不動産会社に同時に売却を依頼する方法で、人気のある立地で、売却が容易なマンション等の場合には悪くない方法である。ただ、築年数の経過した物件や、売却に時間をかけたくない場合には避けた方が良いと思われる。一般的には、有力な購入希望者を紹介した不動産会社と取引を進めることになります。
5.自宅売却と自宅購入が同時の場合
自宅売却と自宅購入が同時の場合には不動産会社やその担当者により高いスキルや注意力が求められます。特に注意が必要なのは、購入が売却の後になるのがスムーズですが、売り買いの決済スケジュールが逆転するケースです。2つのケースがあります。
- 売却する物件を買う方の住宅ローン等が予定通り通らない、若しくは決済スケジュールが遅れる場合
- 購入する物件の決済を売主の諸事情で急がざるを得ない場合
その為、やはり売却決済を1日から数日前に終わらせて引越の際の荷物を引越業者に保管してもらう事が良いと思います。
6.不動産売却の税金
- 取引の税金
不動産の取引を行うにあたっては以下の税金がかかります。
①印紙税
売買物件金額に応じて契約書の印紙税が決まります。契約書の数によって印紙の額が異なります。売主、買主で1通の契約書で売主はコピーを保持するというのが比較的ポピュラーなケースです。印紙税も折半します。
ただ、売主はコピーでは不安だという場合には、2通作成して保存されるケースも多くあります。また、最近で電子署名による方法も模索されております。電子署名の場合には印紙税がかかりません。不動産という高額商品の売買にまだ電子署名はなじまないかもしれません。
②登録免許税
売主が登録免許税を負担する場合には多くの場合には抵当権の抹消登記の税金になります。司法書士報酬と合わせて2万円程度というのが一般的です。 - 売却益に関して
5年以下の短期での売却なのか、5年超の長期での売却によって税率が変わります。短期譲渡の場合には約40%(所得税等と住民税の合計で39.63%)の税金がかかります。一方、長期譲渡所得となると約20%(所得税等と住民税の合計で20.315%)の税金がかかります。但し、居住用不動産には 様々な特例が存在します。別の機会にそちらもご説明します。