フルローンで買うかハーフローンで買うか

2008年10月22日 0:00
ここ3,4年不動産投資の書物が増えその種類も様々に拡大してきております。アパート投資、ワンルーム投資、一棟物マンション投資、一軒屋投資等などとジャンルも拡大しております。不動産投資を始めた10年前等は書物は1,2冊ある程度で知り合いの方の指南を受けて行っていたのとは隔世の感があります。そんな中で不動産投資を行っている方もしくはこれから行う方の間で間違った認識が増えているなと最近思います。 それはローンが全額かそれに近く出れば検討するが、それ以外であれば全く見向きもしないという投資スタンスです。確かに銀行ローンが9割もしくはそれ以上のフルローンになる物件は積算評価で担保評価が高く、収益還元でもそこそこの数字が出ている物件が多いでしょう。また、RCの物件等で融資期間が長く取れる銀行マンが安心できる物件が多くなっております。ただ、だからと言ってそのフィルターを通ったもの以外は投資しないというであれば本末転倒になります。 また、フルローンの場合には自己資金は諸費用分の6%~7%となりレバレッジが非常に高くなります。約14倍~17倍のレバレッジを掛けている事にひとしくなります。破たんしたリーマンは30倍以上のレバレッジを掛けていたと言われますがそれからすると低いですが、それでも大きなリスクを背負っているのは間違いありません。バブル崩壊後、不動産市況が底を打った後の銀行は収益還元法で年収が300万等のサラリーマンやOLの方にも積極的にローンを出していたレバレッジ拡大の時期であったので通用しました。ただ、現在はレバレッジ拡大の時期では無くレバレッジ縮小の時期に世界全体、日本全体が入って来ておりその中、多くの潜在的な投資家の方への与信(融資枠)も低下してきております。 つまり、フルローン等で投資用不動産を買えるのは現在の市場においては一部の富裕層に限られてしまっているという事です。(それも一部の金融機関のみです。)その様な厳しい穴をすり抜ける事に労力を注いでいる方が多く居られるので不思議に思えます。どんなに借入が出来てもその後の運用がうまく行かなければ全く意味がないのですから。それよりも発想を一段変えて見てはどうかと思います。例えば、自己資金1500万で年収が1500万の方が半年前は「2億前後の物件まで買えますよ」と銀行に言われたとしても、現在では通常自己資金3割の投下を求められます。その為、例え1億円の物件でも購入が厳しくなっております。この状態はしばらく2,3年続くと思います。 今は発想の転換が必要になっているのです。5000万前後の物件で鉄骨等で割安な物件も多く見つけられます。その様な物件を自己資金多く投下して購入されても、現在投資物件は投げ売り状態であるので利回りが高く自己資金の回収までの期間はあまり掛かりません。2,3年で自己資金分を収益の中から回収してそれからある程度レバレッジの高い運用をスタートしても遅くはないはずです。市場環境はどんどん信用収縮の方向に移行しておりますので、1,2年待った所で大きな変化はないでしょう。それよりはむしろ自己資金を半分入れるくらいのつもりで購入する不動産投資でスタートされるのも悪くないと思います。(私も10年前は自己資金半分入れて物件を購入しましたが、それが大きく他の投資や収益に貢献しています。)どんなに焦って次々と購入したいからと言って先を急ぐと何も始まりません。フルローン投資よりハーフローン投資の勧めでした。

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